第183章 理非を問わず

さらに十分ほど待った頃、ようやく立木武がスキー場の管理所の方向から滑り降りてきた。

「どうだった? はっきり見えた?」

誰よりも焦っていたのは橘芹奈だった。

黒田奏多と白川雪は、陽菜が滑り慣れていないせいで海人にぶつかったのだと、頑なに言い張っていたのだ。

監視カメラの映像だけが当時の状況を客観的に証明し、陽菜の潔白を証明できる唯一の手段だった。

立木武は頷いた。

「なんとかスタッフに頼み込んでコピーしてもらったんだ。これかどうか確認してみてくれ」

数人が集まり、零下の寒さで立木武のスマホが凍りついて電源が落ちそうになるまで食い入るように画面を見つめ、ようやく状況を把握した。

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