第216章 彼らは成功した

橘芹奈は今回の実験も失敗に終わるだろうと諦めかけていた。その時、先ほど誤って混ぜ合わせてしまった物質が劇的な反応を起こし、まるで結晶のような塊へと姿を変えたのだ。

指先でそっと突ついてみる。驚くほど軽く、手のひらに乗せても、まるで重さを感じない。

まったくもって奇妙な代物だった。橘芹奈は大学時代に材料学を専攻しており、これまでにも似たような物質には数多く触れてきた。

天然に存在するものから、実験室で人工的に生成されたものまで様々だが、これほど見た目は硬そうなのに、触れるとふわふわと軽い物質は滅多にお目にかかれない。

鈴木由佳利が他の同僚たちにコーヒーを配って振り返ると、橘芹奈の目の前...

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