第218章 内通者がいる

桜井哲也の腫れ物に触るような態度を目の当たりにして、橘芹奈も胸が締め付けられるような切なさを覚えた。

彼女は再びお茶を軽く一口啜った。

「先輩、お断りするのは、決して金額の問題ではありません」

いささか生意気に聞こえるかもしれないが、橘芹奈は本心からそう思っていたのだ。

「私が一番助けを求めていた時、手を差し伸べてくれたのはスターライト・モーターズの氷川社長でした。私に仕事を与え、そればかりか何度もトラブルから救ってくれました。その恩義に深く感謝しているからこそ、この特許で報いたいんです」

桜井哲也の顔には明らかな後悔の色が浮かんでいた。

「あの時、君さえよければ僕の研究室に来て...

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