第227章 家を見つけて早く引っ越そう

その日も、黒田奏多は外で一日中忙しく働き詰めだった。帰宅の足音を聞きつけた白川雪が玄関まで出迎え、二、三言葉を交わそうとしたものの、彼は足早に寝室へと消えてしまった。

ほどなくしてバスルームからシャワーの水音が聞こえ始め、雪は落胆の吐息を漏らして部屋を後にした。

彼がどれほど雪を愛でていた時期でさえ、一定以上の距離を縮めることは決して許さなかった。彼女が望む限りの寵愛を与え、湯水のように金を注ぎ込むことを惜しまなかったにもかかわらず、だ。

奏多は決して雪を抱こうとはしなかった。彼女から積極的に体を擦り寄せても、いつも冷たく突き放されてしまう。

「結婚するまでは手を出さない」――そう口...

ログインして続きを読む