第230章 愛するか愛さないか、ただ一瞬

目の前でドアがバタンと音を立てて閉まった。

だが、黒田奏多の意識にはある一つの事実がはっきりと刻み込まれていた。

自分たちの結婚生活が破綻した根本的な原因は、白川雪にあるという事実が。

彼女との関係を完全に断ち切らなければ、橘芹奈の前に立つ資格すらないのだ。

そう決意した黒田奏多は、車を走らせて家へと直行した。別荘のドアを開けた瞬間、濃厚な料理の匂いが鼻を突いた。

ダイニングチェアに座って頬杖をついていた白川雪は、物音に気づくと嬉しそうに立ち上がった。

「やっと帰ってきた! ずっと待ってたんだよ」

勢いよく立ち上がりすぎたせいで足が痺れたのか、彼女はよろけて危うく転びそうになる...

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