第236章 人の心には血が通っている

そのふざけた言い分を聞いて、橘芹奈は嘲るように唇の端を吊り上げた。

「奥様に聞いてみなさいよ。警察には自分で説明しろってね」

今更血の繋がりがどうのこうのなんて、馬鹿げているにも程がある。

佐伯は一瞬で言葉に詰まり、口をぽかんと開けたまま、何一つ言い返すことができなかった。

橘芹奈がこれほど口の立つ人間だとは、今まで思いもしなかったのだ。

「法律上、祖父母の親権が実の親を上回ることはありません。ですから、いくら陽菜の本当の祖母であろうと、母親の元から彼女を連れ去る権利はないのです」

傍らに立つ氷川昴が、理路整然と言い放った。

佐伯は困り果てた顔を浮かべた。

「若奥様、どうか私...

ログインして続きを読む