第244章 付け上がる

会議室に足を踏み入れた途端、橘芹奈は満面の笑みを浮かべる安森干夫と目が合った。

安森干夫はすでに黒田奏多とすっかり意気投合した様子で、その顔には隠しきれない興奮が滲み出ていた。

「氷川社長、この提携さえまとまれば、我がスターライト・モーターズの株価がさらに跳ね上がるだけでなく、ビジネスの版図そのものを一回り拡大できるかもしれませんよ」

その野心たるや、まるで世界そのものを呑み込もうと夢想しているかのようだった。

しかし、氷川昴はただ静かな眼差しで安森干夫を一瞥しただけだった。

「スターライト・モーターズとクロダ・キャピタルは、過去に提携した実績がないわけではありません」氷川昴は黒田...

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