第269章 恨むならお前が道を塞いだせいだと思え

中村さんが黒田奏多の世話を手伝ってくれるおかげで、橘芹奈の負担はかなり軽くなった。

仕事も妙に捗った。橘芹奈はあっという間にデータをまとめ直し、鈴木由佳利へ再送して、研究室側で照合してもらうよう頼む。

ひと息ついて体を伸ばしたとき、橘芹奈はふと病室の様子に目を留めた。

――さっきより、明らかに綺麗になってる。

中村さん、ほんとに細やかな人だ。手際もいいし、仕事が速い。

橘芹奈は即座にLINEを開き、さくっと200円の「お礼」を送った。

中村さんはますます頭を下げたものの、もうやることがない。すると今度は腕まくりして、病室を「360度、死角なし」で掃除し直そうとし始める。

生来の...

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