第271章 母娘連心

黒田奈緒子の声が落ちるや否や、病室に人影が増えていることに気づいた。

正確に言えば、二人。

氷川昴のことは知っている。しかも、息子と仲がいいことも。

ただ――黒田奈緒子が想定していなかったのは、もう一人のほうだった。

奈緒子はその人物を指さす。

「……この方、どなた?」

黒田奏多も眉をひそめ、母の隣に立つ女を見た。

上品に着飾った、見目の整った中年の女性。

よく見れば白川雪と、少なくとも三分は似ている。

――白川雪の母親。そう見て間違いない。

女は入ってきてからずっと、きょろきょろと室内を見回していた。黒田奏多と目が合っても、一歩も引く気配はない。

「あなたが、黒田さん...

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