第6章

 老侍従のそのひと言が叩きつけられた瞬間、巣穴から音という音が抜け落ちた。

 私は宙に漂い、彼らを見下ろしていた。

 ルーシェンの手から、記憶石が「ぱたん」と落ち、転がって遠ざかる。

 ――動かない。

 きっかり三秒。彼はそこに立ち尽くし、金縛りを食らった石像みたいに固まっていた。

「……今、なんて言った?」

 ようやく漏れた声は、かすれていた。二本の竜骨が擦れ合うみたいな、不快な音色。

 老侍従は額を地面に打ちつける。「ごん、ごん」と鈍い響きが続く。

「姫様が……崖の底に……。わ、私は……嘘など――嘘などつけませぬ……!」

「もう一度言え」

「お、姫様が……化骨して……...

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