第7章
亜美が姿を消してから三日後、拓海から電話があった。
「理奈、警察が崖っ縁の展望台で亜美の車を見つけたんだ」彼の声は震えていた。「行方不明で、携帯は電源が落ちてる。車のドアは開けっ放しで――」
爪が食い込んで血が滲みそうなほど、指を強く握りしめた。展望台。前の人生で、私が死んだ場所。
「今から行く」と私は言った。
電話を切った瞬間、血の気が引いた。彼女はわざとやっている。そうに違いない。
家を出ようとする前に、玄関のドアが乱暴に開けられた。父が怒りで顔を真っ赤にして飛び込んできて、その後ろで早百合が泣きじゃくっている。
「亜美に何をしたんだ!?」父は私のシャツを掴み、目を燃...
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