第6章

星奈視点

チャリティーガラは、今や完全なる泥沼の修羅場と化していた。警備員が瑛士と達也を引き剥がした後、松本さんが「大人として冷静に話し合いましょう」と低い声で諭しながら、私たちを図書館の裏バルコニーへと追い立てたのだ。

はん、笑わせる。こんな言葉、今のこの惨状には一番似つかわしくない。

今、私たちはストリングライトの薄暗い光の下に立っている。まるで昼ドラから抜け出してきたような、歪な三角関係そのものだ。夜気は冷たく、ジャスミンの香りと、古びた因縁の重みが混じり合っていた。

達也は檻の中の虎のように苛立たしげに歩き回り、乱闘のせいで仕立ての良いスーツは皺だらけになっている。瑛...

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