第7章

星奈視点

「おい、マジかよ、星奈。これ見てみろって」

瑛士がホテルのドアを勢いよく開けて飛び込んできた。その手には、くしゃくしゃになった新聞が、まるで殺人事件の証拠品でもあるかのように握りしめられている。私はスーツケースに服を詰め込む手を止めて顔を上げた。私たちは午後三時の便で今住んでいる街へ帰ることになっていたのだ。

「今度は何よ?」私はため息をついた。正直、中身なんて知りたくもなかった。この町が今日どんなドラマを用意していようと、もう私には関係ないし、うんざりだったからだ。

彼はベッドの上に新聞を放り投げた。見出しが叫ぶように踊っている。

「黒木達也市長、転落事故で入院――...

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