おなじみの外国人

セレーナはこれまで一度もプライベートジェットに乗ったことがなかった。状況さえ違っていれば、その贅沢と洗練を自分の肌で味わえる機会を、心から喜んだだろう。だが現実はそうではない。ポールとセレーナは飛行の大半を沈黙のまま過ごした。

互いにうとうとすることはあっても、まともに眠れたとは言いがたい。

アップル・ベイに最も近い空港へ着陸したころには、現地時間でもう夜の十時近かった。セレーナはポールを駐車場へ連れていき、真珠色のトヨタのラヴフォーが停めてある場所まで案内した。ポールは二人分の荷物を後部のハッチバックにしまい、それから助手席に落ち着いた。

病院の面会時間はとっくに終わっている。今さらエ...

ログインして続きを読む