ザ・ホース・ラングラー

アイリスとポールは、病院のエレベーター前にある待合スペースで、白いプラスチック椅子を並べて座っていた。二人が落ち着いて話せるようにと、セリーナは気を利かせて廊下を歩き、産科病棟のほうへ向かった。新生児室の窓から赤ちゃんでも眺めて時間をつぶそう、という算段だ。かわいいものでも見ていれば、間が持つだろう。

子どもを産みたい気持ちは――少なくとも今は――これっぽっちもない。だが、三人目として病院で突っ立っているとき、ほかに何をすればいい? 食堂は下の階だし、ありがたいけど遠慮する。セリーナの紅茶店には、ここの病院がコーヒーと呼んでいる薄汚いお湯より、よほど香り高く、よほど味わいのあるものがある。

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