ザ・キス

セリーナが腰まで水に浸かっていると、背後で水しぶきの音がした。音の感じからして、ポールがこちらへ駆けてきているのだろう。彼女は好奇心にかられ、彼も自分と同じように裸で泳ぐつもりなのか確かめようと首を巡らせかけた、その瞬間――上腕を強くつかまれ、硬く引き締まった胸板に一気に引き寄せられて、すっかり体勢を崩した。ポールはすぐにもう片方の腕もつかみ、彼女を支える。

セリーナは見上げた。ポールの瞳は、これまで彼に見たことのない何かで曇っていた。

「何をしてるんだ、セリーナ?」唇が触れそうなほど近い距離で、彼は掠れた声で囁いた。

彼の内側で何かがせめぎ合っているのが伝わってくる。欲している――疑う...

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