ザ・バッド・ペニー

午後三時を少し回ったころ、セリーナは事務所でその日の業務を締めくくった。午前番のレジを締め、昨夜分と当日分の銀行入金の用意を整える。資金を通り向かいのアップル・ベイ貯蓄貸付組合まで運んで戻ると、荷物をまとめ、スタッフに「おやすみ」を言うために店内へ出た。

視線の先、隅のテーブルにポールが陣取っていた。ノートパソコンに向かい、まるで周囲の世界など存在しないかのように、猛烈な勢いでキーを叩き続けている。セリーナはその顔に刻まれた真剣さを見つめ、思わず笑みをこぼした。

そして――なんて見目のいい顔なのだろう。

「おやすみ」と言いたかったが、創作の流れを邪魔したくはない。だから彼に気づかれないよ...

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