シーズ・オブ・ダウト

「ポールが家に戻ってきたの、どう?」ヘザーは脚を組んで座り、アイリスをじっと見据えた。アイリスには到底受けつけられない、意地の悪い小さな笑み――得意げそのものだった。

おめでたいローレルには神のご加護を。ローレルは良かれと思って、スタイリストの椅子をくるりと回し、アイリスがヘザーと真正面から向き合う形にしたのだ。いままさに髪を丹念に切られていなければ、アイリスは足をちょこちょこと動かしてでも、ヘザーに背を向ける位置に戻させたに違いない。

「別に、普通よ」アイリスは唇を固く結び、会話に引きずり込まれまいと短く言った。身体をすっぽり覆う真っ赤なケープの下で、爪はクッションの効いた肘掛けに食い込...

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