ザ・ハート

「え? 違う!」セレーナはアイリスの決めつけにびくりとした。「ポールと一緒に行ったんじゃないわ。あそこでたまたま偶然会ったの」

アイリスは赤いブラウスの上で腕を組み、鼻で笑った。「それを私が信じるとでも?」

「信じて!」セレーナは訴えた。

「運命とポールの運命が、同じ日に、同じ時間に、同じ場所に、しかも同じ島で重なったっていうの? それで今度は、ふたりがべったりで、ラスベガスまで一緒に行くほどだって?」

セレーナも同じように腕を組んだ。「確率的にはありえないくらい低いのはわかってる。でも、本当にそうなったの」本当のことだとわかっているのに、自分の口から出た言葉がどれほど荒唐無稽に聞こえ...

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