疲れた

セレナはワージントン家を出ると、そのまま紅茶店へ向かった。店に入ってもスタッフにろくに挨拶をせず、まっすぐ事務室へ行き、内側から鍵をかけて閉じこもった。面倒な書類仕事を片づけるつもりだったのに、店じまいの時間になって、セレナは自分が何ひとつ終えられていないことに気づいた。

アイリスの非難が頭から離れなかった。ばかばかしい話に聞こえるのに、もしかしたらアイリスの言うとおりなのかもしれない、とも思ってしまう。あのとき偶然ポールに会った瞬間、彼を説得して飛行機に乗せ、エレンに会いに行かせていたら――それだけで彼女の心は少しでも癒え、あんなふうに壊れずに済んだのではないか。

沈んだ思考と後悔を振り...

ログインして続きを読む