ビスケット

一週間ずっと、ポールとセリーナは夜明けと同時に起き、連れ立ってティーショップへ車を走らせ、店のために焼きたての菓子を作り続けた。大半の作業はポールが担ったが、彼はセリーナに惜しみなく教えた。自分がラスベガスへ戻ったあと、彼女がまた同じ状況に置かれても困らないように。

教わること自体はありがたかった。それでもセリーナは店のサイトに、三人目のパン職人募集の告知を出した。ポールは厨房の中を自信に満ちた手際で動き回り、一秒たりとも無駄にしない。

セリーナには、あの域の熟達に届くはずがないとわかっていたし、そもそも望んでもいなかった。彼女にとって焼き菓子作りは、いつも懐かしさを呼び起こす、ほっとする...

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