第7章

春川真希視点

『両親』との話し合いは、案の定、最悪の結果に終わった。

「家を出たいだって?」母の声は冷たい。「いきなりそんなことを?」

「自立したいの」私は慎重に言葉を選んだ。「もう二十一歳だし。そろそろ潮時だと思う」

「私たちがどれだけ与えてきたと思ってるの。最高の学校、最高の服、家、家族を」母は首を振る。「本当に自分勝手な子ね、あなたは」

その言葉は胸に刺さったけれど、先週までほどではなかった。「自分勝手なんかじゃない。ただ、自分のことは自分で決めたいだけ」

「自分の選択、ね」父が繰り返す。「具体的に、どんな? 裕也との将来を捨てることか? お前が何年も馬鹿な真似をしてきた...

ログインして続きを読む