第7章
スマホの画面に表示された颯真の名前を見つめ、数秒ほど躊躇った後、私はついに削除とブロックのボタンを押した。
これで、完全に決別だ。
私は深く息を吸い込み、これからは写真の勉強に専念するのだと自分に言い聞かせた。
入学前の準備は想像以上に順調に進んだ。
東京で見つけた小さなアパートで、母さんが荷解きを手伝ってくれた。父さんが遺した古いフィルムカメラを、母さんは丁寧に包んで渡してくれた。
「お父さん、このカメラで賞を獲ったのよ」
と、母さんは優しく言った。
「きっと、あなたのことを誇りに思ってくれるわ」
翌日、母さんは原宿写真専門学校の入学手続きに付き添ってくれた。...
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3. 第3章
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