第7章
翌日、鳳城は母と私に謝ろうとし続けたが、私たち二人とも聞く耳を持たなかった。
朝食のときから、彼はまるで捨てられた子犬のように家の中をうろつき、「ごめん」「知らなかったんだ」「どうか説明させてくれ」といった言葉で話を切り出そうとしていた。
彼が口を開くたびに、私たちの一方が部屋を出ていく口実を見つけた。
とうとう昼頃、母と私がリビングに座っていると、鳳城が私たちの前のコーヒーテーブルに陣取るように座った。
「お願いだ」と彼は言った。「謝るから、五分だけ時間をくれないか」
「鳳城、おちつけ、一体、何について?」と私は尋ねた。
「……すべてについてだ。君を信じなかったこと。美...
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チャプター
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2. 第2章
3. 第3章
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