第8章

「エージェントからだ」と、彼は電話に出た。「もしもし、亮介」

部屋の向こうからでも、スピーカー越しに亮介の切羽詰まった声が聞こえてきた。

「鳳城、昨日の夜はいったい何があったんだ? 芸能速報Zから電話だぞ。芸能ナイトがコメントを求めてる。お前の婚約者、本当に詐欺師だったのか?」

「話が複雑で……」鳳城は力なく言った。

「複雑だ? 鳳城、こんなことじゃ始まる前からお前のキャリアは終わりだぞ。詐欺スキャンダルに巻き込まれた奴と仕事したいスタジオなんてどこにもない」

「でも、俺は知らなかったんだ.......」

「そんなことは関係ない! この業界ではイメージがすべてなんだ。ダメージコ...

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