第7章 運命の逆転

アリサは王国魔法研究所の塔の窓辺に座り、壊れた魔法のルーンリングを修復していた。その指先からは青い光がきらめき、軽く触れるたびにリングのルーンが再び輝きを取り戻していく。

突如、見慣れたコメントが目の前に浮かび上がった。

『今の王子様の有様、本当に可哀想!学院を一年留年させられた挙げ句、元素制御も一年生に劣るなんて!』

アリサの手が一瞬止まったが、すぐに集中を取り戻した。

半年前、王国魔法研究所に入ってからコメントが現れる頻度はかなり減っていたが、時折こうしてエリモンとヴィクトリアに関する知らせを運んでくる。

『ヴィクトリアも悲惨すぎ!公爵令嬢なのに王子様と一緒に留年な...

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