彼女の嘆願

【ウィリアム視点】

長い廊下を歩く。囚人たちが許しと自由を乞い、絶叫する声が聞こえてくる。無駄だと分かっているはずなのに、哀れなものだ。彼らは罪を犯した。だから、その罪を償わなければならないのだ。

――多くの死に責任を負った、お前がそうしたようにな。

頭の奥で小さな声が問いかけ、胸に鋭い痛みが走った。

それは違う、と反論したい。だが、今となってはそうではないと自分でも分かっている。そもそも俺が彼らと関わらなければ、命を落とすことなどなかったはずだ。きっと幸せに暮らしていただろうに。

まあ、そう信じたいところだが、エリーゼの件があった。彼女は全くの別人として生まれ変わり、過去の記憶を一...

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