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【セレニティ視点】

私は目の前の女を見つめる。エリス叔母様とそっくりなその顔を。その顔を使ってホセ叔父様とウィリアム叔父様から同情を引き、その直後に彼らの信頼を裏切るなんて、反吐が出る。

怒りがふつふつと湧き上がり、爪と犬歯が伸びる。私たちが囚われてきたこの長い戦争の終わりに、マホガニーが興奮し始めているのが感じられた。

「なんて勇敢な子」とエリーは甘い声で言う。両手を持ち上げると、その掌に力の球が現れるのが見えた。「でも、本当に狼が私に敵うと思ってるの?」

いずれ分かることよ。私はそう心に決め、視線を真っ直ぐ前に固定し、彼女が動くのを待ち構えた。そして彼女が動いた時、私はそれに対抗す...

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