第7章

アイリス視点

 スコットランドのハイランド地方から戻って以来、私とセバスチャンの間の空気は、どこか微妙なものになっていた。

「君を失ったら、俺は一生後悔する」

 彼のその言葉が、終わりのないメロディーのように、頭の中で何度もリフレインしている。

 問題は、私が彼とどう向き合えばいいのか分からないことだ。

 リアムの裏切りはまだ記憶に新しく、胸の傷口は完全に塞がっていない。私はロンドンに勉強しに来たのであって、恋愛ごっこをするためじゃない——そう自分に言い聞かせていた。

 けれど、セバスチャンの姿を見るたびに、心臓は勝手に早鐘を打つ。

 だから私は、彼を意識的に避けるようになった...

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