第6章

 大輔が大股で歩み寄ってくる。その顔には、急ごしらえの笑みが張り付いていた。「恵美……誤解だよ。ただの友人の集まりだ。みんな酔っ払ってふざけていただけ——」

 私はずっと握りしめていた離婚届を、彼の胸板に叩きつけた。「サインして。お互いの時間を無駄にするのはやめましょう——あなたの『可愛い小悪魔ちゃん』が、まだ待ってるんじゃない?」

 部屋の空気は凍りつき、他の連中は視線を彷徨わせ、居心地悪そうに身じろぎしている。

 大輔は書類に目を落とし、また私を見上げる。その顔から、みるみる血の気が引いていく。私がここまで踏み込んでくるとは、夢にも思わなかったのだろう。

「え、恵美……どうやって...

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