第7章

 それから一ヶ月後。弁護士の清水先生による手際よい進行のおかげで、大輔はようやく離婚届に判を押した。

 彼はペンを置くと、しばしの沈黙のあと口を開いた。

「恵美、本当にこれでいいのか?」

 私は答えなかった。清水先生がすでに書類の確認を終えている。私は署名済みの書類をファイルに収めると、ファスナーを閉めた。その音は、冷たく、乾いた響きを立てた。

 タイミングは完璧だった――来週、私は海外のファッションウィークで、自身の個人ブランド「線を抱きしめて」のファーストコレクションをお披露目する。真琴から届いた最終確認のメールには、短くこう記されていた。「準備万端」と。

 法律事務所を出ると...

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