第5章

フレイア視点

 ある日、扉がきしんで押し開けられ、父が入ってきた。

「どうだ。少しは良くなったか」

 私はこくりとうなずく。

「うん。だいぶ」

 父は私を引き寄せ、その胸に抱きしめた。懐かしい匂いが鼻をくすぐり、目の奥が熱くなる。

「何もかも一人で背負い込むな」低く、けれど優しい声だった。「俺はお前を責めたことなどない。あんなふうに人が変わるなんて、誰にだって予想できない」

 私は父にしがみつく。言葉が、喉の奥で詰まって出てこない。

 父は私の背をぽん、と叩き、ゆっくり手を離すと、表情を引き締めた。

「身体ももうすぐ戻る。……これからどうするつもりだ」

「父さんのそばにい...

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