第8章

小嶋裕也視点

スタジオの照明が、クソったれなほど目に焼き付く。

高価な椅子に腰かけ、誰もが期待する成功した社長の顔を必死に作っている。だが、腹の痛みは一分ごとに増していき、このインタビュアーが今口にしたくだらない質問に、もはや集中することすらできない。

「小嶋さん、先日の技術帝国の買収は大きな話題となりました。今後の戦略についてお聞かせいただけますか?」

戦略。そうだな。今さらこんなものに何の意味があるっていうんだ。

椅子のアームレストを握りしめる。指の関節が白くなるのと、新たな痛みの波が襲ってくるのは同時だった。薬は効いていない。もう何もかも、効きやしない。

「統合プロ...

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