第5章

 結婚式は屋外の芝生で執り行われていた。

 白い花で飾られたアーチの下、真っ白なウェディングドレスに身を包んだ私は、大地と向かい合って立っていた。

 そのとき――遠くから、焼けたタイヤがアスファルトを削り取るような甲高い悲鳴が空気を引き裂いた。

 全員が一斉に振り返る。

 黒いマイバッハが芝生へ一直線に突っ込み、外周に立てられていた白い花のスタンドを粉砕した。

 招待客たちは恐怖に駆られて蜘蛛の子を散らし、悲鳴が会場を包む。

 凌が車のドアを乱暴に押し開け、祭壇へ向かって大股で歩いてきた。

 その目は私だけを射抜いていた。獲物を捉えた狩人のように。

「そいつと結婚するな!」

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