第9章
しばらくの間、誰一人として身動きすらしなかった。
ステファノの部下たちが正面から乗り込んできたのに対し、エンツォの部下たちは一階を制圧していた。今や、塵一つないほど清潔なガレージには武装した二つの集団が対峙し、全員がどちらが先に動くかと息を潜めていた。
ステファノはエンツォを見た。
エンツォは焦る様子もなく視線を返し、外から持ち込んだらしい吸いかけの葉巻を指に挟んでいた。
私はエンツォの前に歩み出た。
ステファノの視線が私へと移る。
「あなたのルール」と、私は言った。「あなたの体面。そんなものは、そのまま持っていればいい。そういうものを必要としている誰かを見つけなさい...
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