第5章

【弥佳視点】

 私が姿を消してから、もう四ヶ月が経つ。

 この四ヶ月間、あの事故を伝えるニュースを眺め、訃報に記された自分の名前を見つめ、SNSに溢れる追悼の言葉を読んできた。まるで、私が本当にこの世を去ってしまったかのように。

 静かな海辺の町で小さなアパートを借り、別人としての生活を始めた。打ち寄せる波の音が、頭をよぎるすべての思考をかき消してくれる。クルミも私の世話をするためにこの町へ移り住み、近くに部屋を借りて毎日会いに来てくれた。

 たいていの日、私はカーテンを閉め切ったまま過ごしている。

 自分の中から一人の人間の存在を引き剥がす作業は、想像していたよりもずっと困難だっ...

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