第7章

弥佳の視点

 翌朝、私は天井を見つめながら、昨晩の出来事をまだ頭の片隅で反芻していた。

 ひとつため息をつき、重くなった体を支えながらゆっくりと身を起こす。

 窓際へ歩み寄り、カーテンを開けようとしたその時、彼の姿が目に飛び込んできた。

 隣の部屋のベランダで、コーヒーカップを片手に、まっすぐこちらを見つめている。

 視線がぶつかると、彼は手を挙げて軽くこちらへ振ってみせた。

 私はその場に凍りついた。

 ありえない。

 慌てて玄関へ駆け寄り、外の様子を窺う。ずっと空室だったはずの隣室のドアに、今は真新しい表札が掲げられていた。

 まさか、彼が隣に引っ越してくるなんて!

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