第123章

最近の鈴木真代は、目が回るほど忙しかった。浅木辰也のところへ顔を出す時間すらない。

取引先からの入金が一件遅れたせいで、その後の資金繰りが一気に詰んだ。いまは訴訟の準備に追われている。

この裁判、片がつくまで1か月、下手をすれば2か月はかかる。けれど会社は、そんなに待ってくれない。

浅木辰也に電話して助けを求めたい。けれど――自分が金のために近づいたと思われるのが怖かった。

スマホを握りしめたまま逡巡していると、画面がぱっと点いた。表示された名前に、真代は眉をひそめる。

気乗りしないまま通話を取ると、苛立ちを隠さず言った。

「……また? 今度は何」

相手は真代の機嫌などお構いな...

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