第138章

桑野夜子が目を覚ますと、頭は鉛みたいに重く、うっすら開けた目には白い蛍光灯の光がちかちかと刺さった。

手を上げて光を遮ってから、ようやく自分が病院にいることをぼんやりと思い出す。

そうだ、おばあさん――!

彼女はがばっと身を起こした。その勢いで、傍らで眠っていた男まで目を覚ます。

男は彼女が起きたと見るや、ぱっと顔を明るくした。

「目が覚めたか。どこかつらいところはないか?」

桑野夜子は彼の顔を見て一瞬だけ動きを止めたが、すぐに張りつめた声で問い返した。

「おばあさんは? おばあさん、どうなったの?」

浅木辰也は彼女が取り乱しているのを見て立ち上がり、温かい水を一杯注いだ。

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