第14章

下津紗恵が病院に駆けつけると、病室に入ってすぐ、ベッドに横たわる桑野夜子の青白い顔が目に入った。胸がきゅっと痛む。

どうしてここにいるのかは、あえて聞かなかった。ただ安心させるようにふっと微笑み、そのまま前に出て医師との話を引き受ける。

家族が来たことで、ようやく医師も処置を進め、流産止めの注射が打たれた。

「お身体がかなり弱っています。数日は入院して様子を見た方がいいでしょう。今夜はご家族の方が付き添ってください」

看護師はそう告げると、静かに病室を出ていった。

あとには、針が落ちても聞こえそうな沈黙だけが残る。

下津紗恵は電話を受けた時、ちょうど案件の対応中だった。そこから慌...

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