第39章

桑野夜子は、がやがやとした物音で目を覚ました。

心身ともにくたくたで、ようやく眠りに落ちたばかりだったのに。瞼もろくに開かないほど眠かったのに、取っ組み合いをする二人のせいで無理やり叩き起こされたのだ。

目を開けた瞬間、見えたのは浅木辰也が浦原淳宏を床に組み伏せ、一方的に殴りつけている姿だった。容赦なんて欠片もない。手加減なしの、本気の殴り合い。

「何してるの!?」

夜子は慌てて身を起こし、とっさに止めに入ろうとした。だがその腕を、下津紗恵がさっと引き止める。

「行っちゃだめ。あなたまで怪我したらどうするの」

押し殺した声には、はっきりと心配が滲んでいた。この人、自分が妊娠してる...

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