第62章

浅木辰也は鈴木真代に付き添って警察へ行き、現場検証が終わると、集まった証拠はすべて「鈴木平人の自業自得」という結論を指していた。

リビングの監視カメラには、鈴木平人が鈴木真代の腕を乱暴に掴み、ベランダへ引きずっていく様子がはっきり映っている。

揉み合いの最中、鈴木平人はよろめいて手すりにぶつかり、そのまま足を滑らせて転落した――鈴木真代に責任はない。

「この家は、もう住めないな」

浅木辰也が低く言った。

「新しい住まいは手配してある。助手に送らせる」

鈴木真代は小さく頷いた。けれど次の瞬間、怯えた小鳥みたいに肩をすくめ、掠れた声で縋る。

「……ねえ、辰也。ついてきてくれない? ...

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