第71章

浅木辰也の視線は、氷の刃みたいに冷たく刺さった。細長い鳳眼の奥に、危うい光が潜んでいる。

短い沈黙のあと、鈴木真代は伏し目がちにまつげを落とし、瞳の奥の動揺を隠した。まつげの先に溜まった涙は、落ちそうで落ちないまま揺れている。

「……もう、知ってるのね」

妙に落ち着き払った声。浅木辰也には、彼女の胸の内が読めなかった。

眉間に皺が寄る。低く抑えた声で言う。

「言え。俺に、どれだけ隠してた」

鈴木真代は唇を噛み、苦い笑みを漏らした。

「言いたくなかったわけじゃないの。ただ……どう切り出せばいいのか、分からなかった」

大きな決心をしたみたいに、小さく息を吐く。

「夜子が妊娠して...

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