第72章

アシスタントはしょんぼりした顔で社長室から出てきた。ちょうど通りかかった秘書が、いかにも損をしたみたいなその表情を見て、肘で軽くつつく。

「また社長に怒られたの?」

アシスタントは顔を上げ、ニヤつく秘書を睨みつけた。

「そんなに喜ぶなよ。浅木様、機嫌最悪だぞ。お前、あとで報告に入るんだろ?」

秘書の顔が、ぴきりと固まった。

アシスタントは鼻で笑う。

「せいぜい、頑張れ」

そう言い捨てて、ノートPCを抱えたまま踵を返す。

――写真の子を探さなきゃいけないのに。

候補に入っていないはずの写真が、どうして紛れ込んでいる。誰かがわざと混ぜたとしか思えない。人に面倒を押しつけて、楽し...

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