第90章

翌日の午後、桑野夜子は会社からそのまま空港へ向かい、迎えに出た。

浦原淳宏の便は本来15時着のはずだったが、彼女は14時半には到着ロビーで待っていた。

遠目に、浦原淳宏がアシスタントと一緒にスーツケースを押しながら歩いてくるのが見える。夜子は手を上げた。

「こっち」

浦原淳宏は一目で彼女を見つけ、ぱっと笑みを浮かべると、小走りで寄ってきた。

「待った?」

夜子は首を振る。

「ううん。先輩こそ、丸一日フライトで疲れたでしょ」

浦原淳宏は「大丈夫」と笑い、ふと周りを見回してから尋ねた。

「俊哉と真弓は?」

「本当は二人も迎えに来たがってたんだけど」夜子は事情を説明する。「空港...

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