第6章

佑莉視点

 携帯を握りしめた指に、じっとりと力がこもる。心臓が早鐘を打ち、痛いほどだった。一瞬、息も思考も止まる。彼女の名前を聞いただけで、手が震えだすのを止められなかった。

「電話したかったの」彼女は続けた。「直接会って、謝りたくて」

「え……?」

 喉が詰まったような、掠れた声が出た。

「会いたくないのはわかってる。理解してるわ。でも、今は本格的な治療を受けていて……カウンセラーに言われたの。傷つけた人たちと向き合う必要があるって。それが回復へのプロセスだから」

 私は壁に手をついて体を支えた。足の力が抜けそうだったからだ。

「謝罪なんていらない」

「わかってる」彼女の声...

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