第104章

どれほどの時間が過ぎたのか。

鈴宮辰也が、ゆっくりと目を開けた。

視線は沈村政志に突き刺さる。そこにあるのは恐怖ではない。底なしの憎悪だけだった。

「満足か?」

鈴宮辰也の声は、擦れきっている。

「姉貴は死んだ」

「嬉しいだろ?」

沈村政志は、何も言えなかった。

胸のどこかがごっそり抜け落ちたみたいに、ただ空っぽで、ひゅうひゅうと冷たいものが吹き抜ける。世界でいちばん大切なものを失った――そんな喪失感だけが、そこにあった。

その様子を見た鈴宮辰也が、ふっと笑う。

乾いた、嘲りの笑い。

「沈村政志。昔は、お前は目が見えてないんだと思ってた」

「でも今わかった。お前、ただ...

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