第106章

沈村政志は、病院でどれほどの時間ひざまずいていたのか、自分でもわからなかった。

膝はとうに痛みを通り越して、感覚が麻痺している。

それでも彼は、まるで反応を示さない。ただ、手の中の一冊――日記だけを、骨が軋むほど強く握り締めていた。

外はすっかり闇に沈んでいた。

沈村政志はふらりと立ち上がり、こわばった脚を引きずるようにして、一歩、また一歩と外へ向かった。

沈村家の別荘。

リビングは異様なほど静まり返っていた。

使用人たちは、魂の抜けたような沈村政志の姿を見た瞬間、怯えたように視線を落とし、息をすることさえためらっている。

沈村政志は死人のような顔で、誰にも目を向けず、そのま...

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