第11章

鈴宮若子が目を開けると、視界いっぱいに刺すような白が広がっていた。眩しさに瞬きを重ねながら、さっきまでの出来事が脳裏に蘇る。

沈村政志は悪魔だ。このままここにいたら、いずれ確実に殺される。折檻され、弄ばれ、心も体も壊されて。

そうなれば――辰也だって、生きられない。

鈴宮若子は無事な左手で、ベッドの縁をぎり、と掴んだ。

舌先を噛み切る。鋭い痛みで意識を繋ぎ、顔の酸素マスクを乱暴に引き剥がした。続けて手の甲と体に繋がるチューブを片っ端から引き抜く。

ピィィィィ――。

モニターが耳をつんざく警報を上げた。

身を翻してベッドを降りる。両足が床に触れた瞬間、全身の力が抜け、鈴宮若子はタ...

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