第118章

沈村政志はベッドの背にもたれ、手の甲には点滴の針が刺さったままだった。

この三年の無茶な立ち回りに、ここ数日の雨ざらし。身体はとっくに限界を越えている。顔色は死人のように白い。

ベッド脇に立つ大村秀喜は、至急の書類を数通抱えていた。

「沈村様、会社の例の案件は、ご指示どおり副社長へ引き継ぎました」

「このご体調では……もうこれ以上、無理はなさらないでください」

沈村政志は目を閉じたまま、眉間をきつく寄せる。言葉はない。

大村秀喜はその様子に一瞬ためらい、声を落とした。

「沈村様、もう一件……」

「鈴宮さんが、たった今、部下を連れて会社へ……」

ベッドの男が、ばっと目を開いた...

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